「がんご」の獲り方と食べ方。南風が吹いたら岩を起こせ!

書き手プロフィール
円岡 操夫
昭和29年生まれ。円岡造園代表。 大山町(旧中山町)生まれ、大山町育ち。 熱狂的タイガースファンで、米子応援団の団員。 約60年間の田舎暮らしで培ったノウハウをお伝えしていきます。
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波打ち際の岩をひっくり返す。以上。

ペナントレースも開幕し、いよいよ春本番ですね。

阪神が開幕ダッシュに成功したこともあってか、暖かい南風が非常に心地よく感じられます。さて、この辺では昔から冬の終わりに南風が吹くと、海に行って「ガンゴ」というものを獲る習慣があります。おそらく多くの人は聞いたことがないでしょう。ガンゴとは小さなカニのことです。「小ガニの子」からガンゴになったのでしょうか、詳しくはわかりません。私に「なぜあなたは円岡なの?」と聞くようなものです。

さあ、暖かい風が吹いてきたので、今日はガンゴ獲りに行ってみましょう!

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特別な持ち物はありません。バケツと手袋だけ持って行けばいいでしょう。手袋はなくても素手で大丈夫ですよ。

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獲り方を教えましょう。波打ち際の岩をひっくり返す。以上です(笑)。冗談ではありません。やってみましょう。

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ほらほら、ひっくり返すだけでいたでしょう?

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あとはそれを捕まえるだけなんです。

暖かくなりたてのこの時期だからこそ。

なぜこんなに簡単なのかというと、時期が関係しています。

冬の間に地面に潜ったカニは暖かくなると、地上に出てきます。皆さんも春が来たら外に出たくなるでしょう?それと同じです。ただ、冬の間中じーっとしていただけに動きが鈍いんです。だから素手で簡単に獲れてしまうんですね。このガンゴ自体は夏もいます。ただ、夏のガンゴは早くてなかなか獲れません。

この暖かくなりたての3月頃がガンゴ漁にぴったりというわけです。

先ほど岩を起こすだけでいいと書きましたが、それでは芸がありません。ここら辺の子どもたちはみんな、効率的なガンゴの獲り方を親や上の世代から学びました。その伝統の獲り方を教えましょう。

最後に起こす岩を決めて、その周辺の岩をどけて外堀を埋めていきます。そして、最後に「せーの」で最後の岩を起こすんです。いわば、追い込み漁のようなやり方ですね。これだと最後の岩にガンゴが集まるので痛快ですよ。10匹20匹が一度に獲れてしまいます。ただ、これには人手が必要です。今回は小さい規模でやってみましょう。

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最後の岩を起こしますよ。せーーーーの!

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7、8匹が一度に獲れましたね。大漁大漁!

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揚げガンゴをポリポリいただく幸せ。

さて、このガンゴの食べ方ですが、特に小さい赤ガンゴは揚げて食べるのが最高です。

生きたまま少し衣をつけて揚げれば、そのままポリポリいけます。あ、素揚げでもいいですよ。久しぶりに食べましたが昔を思い出しますね~。揚げているときの匂いがもう懐かしかったです。ビールとの相性は抜群ですね。グラスを重ねてしまった円岡操夫を誰が責められましょうか。円岡家では大きいやつも全部揚げてました。堅いハサミの部分もバリバリ食べてましたよ。

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少し大きいガンゴはミキサーで粉々にして、殻は捨ててその汁を使うのが一般的です。ミキサーなんてなかった時代は、全部石の上ですりつぶしてましたね。鍋に入れた豆腐にガンゴの汁をかけると、豆腐にふわふわの層がまとわりついてそれも絶品です。

昔は他にやることがなかったので、みんなこの季節になるとこぞってガンゴ獲りをやっていました。たくさん獲って家に持って帰ると親に喜ばれたもんです。

今回、ガキの頃から掘っていたところで久しぶりにガンゴ獲りをやったのですが、童心にかえってしまいました。岩を起こす瞬間のワクワクする気持ちは今も昔も何一つ変わらないですね。それと自然は期待を裏切らないな、と強く感じました。50年というと人間から見ると長い年月ですけど、暖かい風が吹いたら動きの遅いガンゴが出てきて、その恵みをいただいて…。人間は裏切ったり変わったりすることもあるでしょうが、自然はスケールが違いますね。なんだか今日は自然のすごさに妙に感動してしまいました。

構成:矢野竜広

操夫の覚書き

・暖かくなりたての3月、南風の日が漁にぴったり
・持ち物はバケツと手袋のみでOK
・小さいガンゴはぜひとも揚げて食べて
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鳥取県大山町にある田舎暮らしの入門道場「のまど間」からリアルな田舎暮らし情報をお届けします。

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