テレビで見たヤブツバキに感動。
確かあれはNHK大河ドラマの『秀吉』を見ていたときのことだったと思うのですが、印象的なものを目にしました。
南天の床柱をあしらった荘厳な利休の茶室の奥に、竹の一輪挿しが置いてあったのです。
中に入っていたのはヤブツバキ。これぞ和だ!と痺れましたね。
ヤブツバキは散り際がいい花です。潔くポトリと落ちて仕舞い。
茶室、着物、竹、散るヤブツバキ…。和の世界はなんて素晴らしいのだろうと再認識した記憶があります。
それから私、円岡操夫は一輪挿しを作るようになりました。
米子の造園まつりで出品したこともあったのですが、一つ500円くらいでも飛ぶように売れました。
でも、竹なんてそこら辺にいくらでも生えているんですから、自分で作ってみませんか?本当に簡単ですよ。
竹薮に入って、イメージに合った青竹を探しましょう。理想は、1本の中に節の間隔がたくさんあるものです。それがあれば、様々な長さの一輪挿しを作ることができますからね。
竹を割るとのこぎりを使う台に早変わり。
竹の切り方は、以前の記事を参考にしてみてください。
さて突然ですが、「竹を割ったような性格」って言葉、聞いたことがありますよね?
竹は繊維に沿って綺麗に一直線で割れることから、さっぱりしていて、真面目でまっすぐなことを言います。この言葉、実際に竹を割ったらよく意味が理解できるようになりますよ。さあ、手頃な竹をパカンと割りましょう。
このまま青竹踏みとしても使えますね(笑)。いや、遊びで割ったわけではありません。これ、台になって竹を切りやすくなるので覚えておくと便利です。
さあ、切っていきますよ。
最初にノコの歯を何度か当てて切り込みを入れながら、斜めに竹を切ってください。
鋭角にすればするほど長くなって、花を見せるのに相応しくなります。ゆるい角度でも問題ありません。
どちらでもいいので、慎重かつ自由に切りましょう!
水を受ける下面は節目のすぐ下でカットします。
男性の皆様、女性にプレゼントなんていかが?
これにて完成なのですが、前面に口を開けてあげるとより花が見えるようになります。
末広がりに切ったらなおいいんじゃないですか?
ただし、水をたくさん入れたい場合にはもちろん向きませんからご注意を。
本当はヤブツバキにしたかったのですがあいにくなかったので、うちの山で紅梅を切ってみました。これはこれで春の到来を告げてくれるようでなかなかいいですね。
できあがりました!どうですか?本当に簡単にできてしまいますよね。
女性は花が好きなもの。男性の皆さん、自分で一輪挿しを作って女性にプレゼントしてみませんか?きっと喜ぶと思いますよ!
ただし、ヤブツバキのように見事に恋が散ってしまっても私は責任を負いませんよ、悪しからず!(笑)。
構成:矢野竜広
操夫の覚書き
・竹を割って台にしてみよう!
・水を受ける下面は節目のすぐ下でカット。