かつて門松を買っている家なんて一軒もなかった。
年末年始、家の門口に対に立てる門松は皆さん、ご存知ですよね?この門松、田舎なら自分の手で作れてしまうんです。今は随分減ってしまいましたが、むしろ私が小さい頃はどの家も自分たちで作っていましたよ。以前、「家財にもオモチャにも七変化!竹の安全な伐採法&活用法」という記事で竹の伐採法をお伝えしました。
門松のメインは竹。竹さえ入手し、うまく切ることができれば門松作りの8割は終わったようなものです。あとはあるもので代用可能。「本当に門松なんて手作りできるの?」なんて訝しがらず、とにかくやってみましょう!基本の材料は以下の通りです。
・松 適当なサイズ×2
・竹 大×2本
・梅 適当なサイズ×2
・ペール缶(丸バケツでも可) ×2
・砂 各ペール缶×2にぎっしりの量
・藁こも ペール缶2缶を巻ける程度
・藁なわ 数メートル
・葉牡丹 紅×2 白×2
・千両、万両 どちらも適当なサイズ
こちら大山町では、藁こも と 藁なわ以外全て無料で手に入ります。もちろん、色々な人に声を掛けなければなりませんし、現実的に全てを収穫するのは難しいでしょう。でも、今の時代、花屋やホームセンター、100円ショップで何でも手に入ります。造花でも不恰好でも安くても問題ありません。家族みんなで作ることに価値があるじゃないですか。早速、始めましょう!まずはペール缶の中に入れていた砂をいったん出しましょう。次はメインの竹切りです。
作業の8割を占める竹切りが出来栄えを左右。
よく水洗いして拭いた竹を大中小の3サイズに切ります。対なので計6本必要ということ。今回は、大=110cm 中=100cm 小=85cmとしました。もちろん、サイズに決まりはありません。竹の頂点から20cmほど下げたところに鉛筆などで印をぐるりと刻みましょう。後は頂点とその印を結ぶ線を切るだけ。コツは、最初にノコの歯を何度か当てて切り込みを入れること。一度で切ろうとしても失敗しがちですし、竹をいかに綺麗に切るかが見栄えを大きく左右します。ここは慎重にやりましょう!
竹を切り終えたら、余った竹で筒を二つ作りましょう。これは花を挿すために使います。さあ、大中小の3本の竹をペール缶に入れたら、縄を使って束にします。これは仮結びなので、すぐほどけるように。花用の筒を入れたら、ペール缶に砂を入れて竹の位置を決めます。左右対称を意識するのをお忘れなく。場所が決まったら仮の束をほどきます。
続いて、適当な大きさに切った松を竹と一緒にくくります。竹がメインなので、松は少し小さめがいいでしょう。ここでは、しっかり垣根結びで結んでください。
センスを活かして楽しくデコレーション。そして、設置!
ここからは花を置いていくので、完全にセンスの世界です。まず竹筒に梅を入れます。これで松竹梅。なんて縁起がいいんでしょう。これだけではありませんよ!赤い実と黄色い実を付ける花は、千両と万両という名前。手前に置く葉牡丹は赤と白、つまり紅白。めでたいものが揃い踏みなんです。もちろん、別の花や造花でも大丈夫。100円ショップで買える獅子舞のおもちゃなど飾り付けは自由です。あなたのセンスをフルに活かしてください。
さあ、仕上げです。ここまでこだわってやってくると、ペール缶やバケツがむき出しになるなんて許せなくなっているはず。そこで、こもの登場です。こもとは、マコモを粗く編んだむしろ。今は藁を使っていますね。これをペール缶の上1センチくらいの高さに来るように巻きます。
缶をぐるりと巻き、余ったら下に這わせましょう。ここでも藁なわで垣根結びをして、ほどけないようにしましょう。結び目は前に置きます。
玄関に左右対称に置いて完成です。そうそう、ここで隙間に満たすように砂を入れ、さらに水を含ませます。重くなりますから、これは所定の位置に移動させてからやるのがいいでしょう。こぼれた砂の掃除もお忘れなく。やっぱり門松を置くと、空気がピシっと張りますね。これで年が越せるというものです。なお、置く時期ですが、12月13日以降であればいつでもいいとされています。そして、しまう時期ですが、一般的に松の内は1月7日までなので、その日まで飾ります。私らの地域では、1月のどんどさん(どんど焼き)で焼くまで飾るのが一般的です。
どうでしたか、皆さん。そんなに難しくないでしょう?ぜひ一度、手作り門松を家族の皆さんで作ってみてくださいね!
構成:矢野竜広
操夫の覚書き
・竹は何度か切り込みを入れて、美しく切る。
・12月13日以降、どんど焼きまで飾るのが一般的!