ラストインタビュー!管理人の薮田さん、のまど間運営を振り返る

書き手プロフィール
矢野竜広
1980年生まれ。会社員コピーライター、放送作家を経てフリーランスに。2013年、住み慣れた東京を離れて鳥取県へ。自宅にオフィスヤノを構え、WEBデザイナーの妻とともに夫婦で在宅ワークにいそしむ。無類のビール好き。 ブログはビアエッセイ・ドットコム。ツイッターのフォローはこちらから。
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5年半の歴史に幕を閉じるのまど間。

大山町の地域おこし協力隊の一人として、
2014年の秋からのまど間立ち上げに携わり、
最後まで管理人として運営し続けた薮田佳奈さんに、
始まりからこれまでについて振り返ってもらった。

瞬発力だけで乗り切った立ち上げの頃

2015年4月にオープンしたのまど間だったが、物件の募集は2014年の10月。わずか半年で全ての準備を整えたことになる。舞台裏は想像以上にバタバタしていたようだ。

「もう立ち上げの頃はやらなければならないことに追われ過ぎて、何が何だか全くわかりませんでしたね。自分自身シェアハウスに住んだことがなくて、イメージも湧きませんでしたし。色々と課題が降ってきて、それに対処し続ける感じで瞬発力だけで乗り切ってましたね(笑)」

そんな中、次の地域おこし協力隊員の募集が始まる。慌ただしい中だったが、これがヒントになった。

「その辺から私の中でのまど間のイメージができてきたんですよね。それまでは“やる意味があるのだろうか?”と疑問に感じたこともあったのですが、この場所に実際に県外出身の20代が来るのか…と思うと、何があったらいいだろう?とかどんな場所だったらいいかな?と想像しやすくなったのを覚えています」

色々な人の協力や支えがあってついにオープン

立ち上げのときには多くの人に協力してもらったという。

「役場の方もシェアハウスがどんなところか?とかわかってなくて手探り状態だったのですが、一緒に作りたい!という強い気持ちは伝わって感じていたし、実際にミーティングの日々で相当忙しかったと思いますが、本当にありがたかったです。当時は築き会の力も本当に大きかったですね。施工が築き会代表の北村さんがの会社、創伸さんに決まったの大きかったし、築き会のみなさんの人脈で色々な人を紹介してもらえました。本当に築き会の存在は安心感が半端なかったです」

当時は地域おこし協力隊同期の小谷英介さんと二人三脚でプロジェクトを進めていた。真逆の性格がよかったのではないか、と薮田さんは振り返る。

「本当に性格が逆なので、担当分野がカブることなく勝手に物事が進んでいく感覚がありました。ダニーさんはアイディア豊富で行動力があって未来を見る人、私はアイディアはなくて迷いがちで今しか見ることができません。でも、流れに乗っかってその中で物事をいい形にしていくのはたぶん得意。お互いの得意分野が違ったので短期間でオープンまで持って行けたんだと思います。今振り返っても、他の人だったらできてなかっただろうな」

門前集落の方々の協力もあり、のまど間はオープンした。その後、管理人として人を受け入れていく中で、色々なことを学んでいった。

自分が当たり前にできることを大切に運営

「これまで100人以上を受け入れてきました。第〇期生みたいな感じでその時々で色が違うんですよね。一生住むところではないので、みんな何かしらのテーマを持っています。ずっと一緒ではないんですけど、それなりの時間を共に過ごしていると、“この人はそろそろ出るな”とかが直感でわかるようになってきました。醸し出す空気感なんですかね。他にも、入居希望の方とやりとりしていると、“この人は来ないだろうな”とかもわかるようになってきました。不思議なもので」

不思議な力はのまど間にもあったようだ。

「さっきその時々で色が違うと言いましたが、何かしらの足りない感じがあると必ずそれを補うような人が新たに入居するのが面白かったですね。静かな人が多いときに適度に賑やかな人が来るみたいな。私は基本的に住んでいる人に合わせて行くという方針で運営していて、ルールが必要な住人出れば作るし不要ならルールを作らないとか、なので、本当に5年半コロコロ変わっていた気がしますね。」

運営方針は至ってシンプル。目の前の人のニーズに一生懸命応える、住む人が心地よく住めるのが第一、だ。

「やり方は色々あったと思うのですが、やっていく中で自分が無理をするのではなくて、当たり前にできることを大切にするようにしていました。できないことは正直に謝ればいいかと(笑)。イベントも初年度はよく企画していたのですが、途中から住んでいる人にとっては、家なんだから普通に暮らすだけでいいじゃん!自分も得意でないし、無理に仕掛けなくてもいいかと。それは自分が苦手なことから逃げてるのかな?と葛藤したこともありましたけどね」

色々なこと気付かせてくれた場を仲間に引き継ぐ

のまど間は幕を閉じるが、建物は元地域おこし協力隊でのまど間の一番初めの住人でもあった“まーしー”こと佐々木正志さんが引き継ぐという。

「最初にまーしーから話があったとき、何というかホッとしました。やっぱりここで苦楽を共にした仲間が引き継いでくれた方が、良いところも悪いところも全て知っているし、色々スムーズじゃないですか。だから、ただただ嬉しいですね。私自身、のまど間に愛着もあるし、執着もありました。でも、まーしーが話を持ちかけてくれた時に、ただただ嬉しかった。きっとよくしてくれるとも思うので、安心しかないですね。今は晴れやかな気持ちです」

5年半にわたるのまど間との日々を振り返って思うことを最後に聞いた。

「2014年にこちらに来て、最初に関わったプロジェクトなので、ああ一区切りついたなと率直に思います。のまど間は本当に色々なことを気付かせてくれた場所です。学校のようなものだったんですかね?う~ん、もしかしたらのまど間は私自身かもしれない。自分の一部という感覚があります。私にとっては、のまど間はハレの場で、自分が運営するてまひまは自宅でもあるのでケの場。見え方は逆かもしれませんけどね。私なりに頑張りました。のまど間が終わることで、これから私は私のやるべきことに集中したいと思います」

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のまど間BLOGについて

鳥取県大山町にある田舎暮らしの入門道場「のまど間」からリアルな田舎暮らし情報をお届けします。

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