しぶしぶ庭作りに勤しんでいたら大きな夢が生まれた話*ライターの移住月記

書き手プロフィール
矢野竜広
1980年生まれ。会社員コピーライター、放送作家を経てフリーランスに。2013年、住み慣れた東京を離れて鳥取県へ。自宅にオフィスヤノを構え、WEBデザイナーの妻とともに夫婦で在宅ワークにいそしむ。無類のビール好き。 ブログはビアエッセイ・ドットコム。ツイッターのフォローはこちらから。
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東京の狭いマンション&アパート出身の僕にとって、一軒家に暮らすというのは夢のまた夢だった。あまりに現実離れしていたので、小さな頃から「もし一軒家に住んだら…」と空想することすらなかった。縁あって鳥取に移住し、色々な支えがあって家を建てると、そこに「庭」という何とも不慣れなスペースが出現した。

庭と言う名の壮大なキャンバスに。

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庭というスペースを一体どう有効活用すれば良いのか?
マンション暮らしが長いので、身近にお手本となる人がいない。家の中は狭いアパートだろうと屋敷だろうと共通点が結構たくさんある。ところが、庭となるとその広さや形状、周囲の環境などどれもが固有のもので共通点が乏しく、誰もが自らに与えられた固有条件の中で試行錯誤しなければならない。

僕ら(妻が中心)はゆっくり時間をかけて…

植栽する。
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芝を張る。
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排水を整える。
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道を作る。
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芝の領土を広げる。
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物置を設置する。
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といった具合に、色々な人たちの力を借りて、自分たちの庭に手を入れて行った。それは、ある意味で立体的なキャンバスのようであった。

BBQせざるを得ない5月の陽気。

家を建ててからの2年の間にそうしてちょこちょこ蒔いた種が最近、実を結びつつある。庭がとても居心地の良い空間になってきたのだ。
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そして、この5月のパーフェクトな陽気。これはもう何をするかは決まったも同然。
BBQである。先週末、この夏初めてのBBQをした。
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高い肉でなくとも(むしろ激安)、外で食べるというだけで何倍も美味しく感じられる。外の空気というのは無料かつ最高の調味料なのではないか。

うちはキッチンのカウンターにビールサーバーを設置しているのだけど、「将来、庭が充実してくればテラスでパーティーをするかもしれない」と思っていたので最もテラス寄りの位置に配していた。
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その読みはどうやら当たった。ビールをグラスに注いで2秒でテラスに着席することができる。
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こんな風に書くと、「庭作りをさぞかし楽しんでやっていたのだろう」と思われがちなのだけど、僕自身は諸々の作業が実際のところ面倒でたまらなかった。

庭作りと書き仕事は似ている。

元々、庭に対するイメージが皆無。こうしたい、ああしたい、という希望はなかった。
それでも、なんとなく妻に道を示され、材料が手元に用意され、特に予定がない週末が来ると、「んじゃ、まあやるか…」と手を動かした。不思議なものでいったん始めると小さな目標が目の前に積み上がって、いつの間にか夢中になる。で、終わって目の前にその成果が出現すると、「うーん、もうちょっとこうしたいな」といった希望が喚起される。その繰り返し。

これって僕の場合、全く書き仕事と一緒である。

元々、こんな文章を書きたい!というものは特になかった。インタビュー後にテープ起こしをしたり、資料を読み込んだり、先輩やクライアントのチェックを受けて文章を考え直したり…。それを前に「面倒だなあ」と思うことはたくさんあるのだけれど、いざやり始めると全てに夢中になり、結果が世に出ると、「ああ、もっと今度はこうしたい!」と向上心のようなものが沸き上がる。

今、僕には夢がある。テラスでオクトーバーフェストを開催するのだ。それだけだったら、今でもできる。メンバーが重要。
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2人の息子(もうすぐ4歳ともうすぐ1歳)が成人して結婚し、家庭を持った暁に息子たち一家と宴を催したい。本場の1ℓジョッキで、BBQでソーセージを焼きまくり、ドイツの民族音楽をBGMに、飾り付けもきちんとして。孫たちはソフトドリンクで乾杯だ。

考えてみると、人生もなんだか似ている。こんな人生を歩みたい!なんてあまり考えてこなかったけれど、目の前の現実が新しい現実を生み、夢を触発する。割と無欲なタイプの人間だったはずなのに、今ではやりたいことばかり。全くおかしなものだよなあ…と僕は庭を眺めながら考えている。
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鳥取県大山町にある田舎暮らしの入門道場「のまど間」からリアルな田舎暮らし情報をお届けします。

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