狐につままれたような6月*ライターの移住月記

書き手プロフィール
矢野竜広
1980年生まれ。会社員コピーライター、放送作家を経てフリーランスに。2013年、住み慣れた東京を離れて鳥取県へ。自宅にオフィスヤノを構え、WEBデザイナーの妻とともに夫婦で在宅ワークにいそしむ。無類のビール好き。 ブログはビアエッセイ・ドットコム。ツイッターのフォローはこちらから。
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この6月、「一体なんで?」と何回思ったことだろう。
不思議過ぎて、狐につままれたような気さえする。
何の話か?ホタルの話である。

激減で消滅危機からの謎のV字回復。

今年から地域自主組織「楽しもなかやま」では、「楽しもビオトープ」
と称してさまざまな環境に関する活動を進めていくことになった。
その一番わかりやすい事例としてまず取り組んだのが、
「ふるさとフォーラムなかやまにホタルを取り戻そう!」という活動。
僕の知る限り、2015年の6月には300匹くらい乱舞していたホタルが
重機の入った整備のせいで翌年以降激減してしまった。その数毎年10匹ほど。
特に昨年はひどくて、いつ見に行っても3匹程しか飛来を確認できなかった。
ところが、どうだろう。今年は5月の下旬からちらほらと飛び始め、
6月中旬のピーク時には150~200匹近いホタルが飛んだのだ。
もはや6月も末だが、この段階でも40匹程度は確認できる。
もう丸1カ月にわたってホタルは飛び続けているのだ。

さすがに毎日見に行くことはできなかったけど、
それでも週に2回程度は子ども達と夜にホタル観賞に行き、
その幻想的な光を追うことになった。
初めて見る人と一緒になることも多く、みな一様に
「こんなに飛んでるんだ!すごい!」と感動していた。

確かに手を加えた。でも翌年以降のためだった。

確かに楽しもなかやまで今年からやったことはある。

・照明を抑える
・カワニナを放流
・鯉を捕獲して移動

去年、フォーラムなかやまの池の上では電灯が
煌々と辺りを照らしていた。これが光で求愛する
ホタルにとってよくないことは明らか。
今年から電灯の光を抑えたり、新しく機器を設置したりと
光の部分に手を入れた。

また、ホタルの幼虫はカワニナという貝が大好物。
ホタルを増やす=カワニナの数を増やす である
ということを先達に教えてもらい、近くの集落から
カワニナを集めて栄養分とともに放った。

さらに、その貴重なカワニナを食べてしまう鯉は
百害あって一利なしということで、
漁師のメンバーの助けを借りて別の水系に移した。

でも、これらは来年以降のための取り組みだった。
昨年命が繋がっていなければ、今年の飛翔はない。
実際に昨年は見るも無残な数しかいなかったので、
僕は内心、「今年は下手したら一匹も飛ばないのでは…」
とすら思っていた。
というのは、昨年7月、大雨が降ったから。
元の数が圧倒的に少ないところに歴史に残るような西日本豪雨…。
明るい要素が一つもない。なのにV字回復したのである。

いつかは超有名な観賞スポットになるかも…。

今回、150~200匹のホタルが実際に乱舞しているのを見て、
2015年時点では約300匹くらいがいたことが比較でわかった。
今年のように池から上屋付多目的広場の方まで満遍なくいるのではなく、
4年前は友好館の下の一区画に集中していたところも全く違う。

正直よくわからないことばかりである。
まるで10年後に「頑張った甲斐があったね~」と
見たかった風景を今年見てしまったようだ。
でもまあ自然なんて案外そんなものなのかもしれない。
いずれにしても来年以降はもっとすごいことになりそうだ。

そもそもふるさとフォーラムなかやまはかなり恵まれた鑑賞スポットだ。

・たくさん駐車場がある
・上から見下ろすので全体を見やすい
・広いのでぎゅうぎゅう詰めにならずゆったり
・鬱蒼としていて雰囲気がある
・目の前の友好館には宿泊可能

今はまだ知る人ぞ知るスポットだが、
西日本を代表するようなホタル観賞スポットになっても
全くおかしくない。
マナーの悪い人が大挙して押し寄せてくるのは嫌だから
今のままくらいがいいなあと思うけど、
そんな地元人の意向なんて関係ないくらい
大きな場所に今後、なっていくような気がしなくもない。

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