東京にはなかった!地域運動会という最高のイベント*ライターの移住月記

書き手プロフィール
矢野竜広
1980年生まれ。会社員コピーライター、放送作家を経てフリーランスに。2013年、住み慣れた東京を離れて鳥取県へ。自宅にオフィスヤノを構え、WEBデザイナーの妻とともに夫婦で在宅ワークにいそしむ。無類のビール好き。 ブログはビアエッセイ・ドットコム。ツイッターのフォローはこちらから。
Pocket

過日、下中山地域の運動会が開催された。
東京にいた頃には決してなかったイベント。
地方ではまだまだ存在しているところがある。
「面倒くさい」「人が集まらない」と言って
やめてしまったらもったいない。
参加してわかった素晴らしさを伝えたい。

ところで皆さんは“満水競争”をご存知?

まず運動会というのはシンプルに楽しい。
リレーを見たらやっぱり問答無用にワクワクするし、
満水競争はゲーム性が非常に高くて面白いし、
玉入れは日々練習したいほど楽しい。

今、満水競争と書いたが「何それ?」と思う人もいるかもしれない。
実は僕も「何それ?」側だった。地元の人いわく
「自分が小さい頃からずっとやってる定番競技」
とのことらしい。ルールはこう。

・柄杓に色のついた水を汲む
・前方にある一升瓶を目指して歩く
・瓶の中に水を流して次の人に交代
・一番早く瓶を満水にしたチームの勝ち

早く歩くと水がこぼれてしまうが、
慎重になり過ぎると水を入れる回数を稼げない。
よくできたゲームだなあと感心してしまった。

この競技、性格が出るのも面白い。
うちの息子は慎重なタイプだと思っていたけど、
予想通り、慎重に歩き過ぎて淡いブーイングを浴びていた。
逆にジャブジャブこぼれても気にせず歩く人もいて笑った。

そう、運動会は競技を通して性格が浮き彫りになる。
「熱くなりやすい人なんだな」とか「粘り強い人だな」とか。
性格だけではなく、「へえ、〇〇さんって足早いんだ」とか
普段よく接する人の意外な一面を見ることができる。

会話が「従」になる理想的な空間。

競技を観戦しながら普段あまり話をしない人と話せるのもいい。
「田舎暮らしは人間関係が濃い」とか言うけど、
実はそんなことはない。濃い場所もあるのかもしれないが、
自分の住む地域に限るとそんなに住民同士で集まる機会はない。

家が近いとか子ども同士が同い年とかではないと、
結構多くの人と没交渉状態になってしまう。
そんななかで、運動会の意味は大きい。
集落ごとに集まって他愛もない会話ができる。
うちの子どもを見て「ずいぶん大きくなったね」と
言われたこともあった。地域で暮らす子ども達の
成長具合を見るいい機会に運動会はなっている。

会話の時間って、それが「主」だと、
関係性が弱い同志であればあるほど脆弱になる。
ところが運動会では運動会が圧倒的な「主」であり、
会話が「従」になる。だから話しやすいのだと僕は思う。

表向きは「集落対抗」だったとしても、
本当に対抗意識を燃やす人はいない。下中山の場合、
17集落あって普段はその区分けを意識しないけど、
運動会だと集落名が前面に出るので
同じ地域にある別の集落に意識が向く。

全ては打ち上げのビールのために…

もちろん、何年も前から集落単位での参加を見送る
という方針にしているところもある。それはそれで、
「〇〇の集落は参加していない」と聞いたりすることで、
やっぱり意識することにはなるのである。

結果、自分達の集落はもちろん、別の集落を含めて
「自分たちは下中山の一員なんだ」という
仲間意識が芽生える。これは大事なことだと思う。

…と色々書いてきたけど、何が一番素晴らしいか
と言うと、それはもちろん打ち上げ!
我が集落でも運動会終了後、近くの施設で
お疲れ様の懇親会が催された。
お酒好きには同意してもらえると思うけど、
どんなお酒が一番美味しいかと言ったら
それは運動後に仲間たちと飲むお酒。
もし練習後のビールが禁止されたら、
日本の草野球は壊滅状態になるに違いない。

準備は大変だと思う。でも、綴ってきたように
素晴らしい面もたくさんある。
地域運動会の伝統の灯が続くことを願っている。

Pocket

のまど間BLOGについて

鳥取県大山町にある田舎暮らしの入門道場「のまど間」からリアルな田舎暮らし情報をお届けします。

RSSを登録

follow us in feedly