鳥取の子ども達にとって僕の仕事は*ライターの移住月記

書き手プロフィール
矢野竜広
1980年生まれ。会社員コピーライター、放送作家を経てフリーランスに。2013年、住み慣れた東京を離れて鳥取県へ。自宅にオフィスヤノを構え、WEBデザイナーの妻とともに夫婦で在宅ワークにいそしむ。無類のビール好き。 ブログはビアエッセイ・ドットコム。ツイッターのフォローはこちらから。
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先日、中山小学校に招かれた。
6年生のクラスに色々な職業の
大人達5名を招いて色々話を聞く。
そんな将来のための授業なのだという。
よくわからないながら参加してみて、
色々と思うところがあった。

ペンやカメラや出版した本などを持って。

お誘いしてくれたのは、のまど間の運営者でもある薮田さん。
元々、地域おこし協力隊時代に中山小学校とつながりができて、
数年前から始まった企画とのことだった。
(僕は初参加)

メールには、日時と
「持ち物:職業がわかるアイテム」とだけあって、
詳細はわからなかったのだけど、とりあえず
コピーライター時代に手掛けた広告の刷り上がりや
これまでに出版した本、商売道具のペン、
一眼レフカメラ、ICレコーダーなどを持って中山小を訪問した。

教室に到着するやとあるグループに招かれて、
席に座ることに。今回、呼ばれた大人は5名で
5つのグループに分かれて話が進められた。
僕のグループではこんな質問が飛び交った。

・どうしてライターになろうと思ったのですか?
・ライターをして嬉しかったのはどんなときでしたか?
・文章を書くときはどんなことを心がけていますか?
・仕事をしていて大変だったことは何ですか?
・辞めたいと思ったことはありますか?

などなど。よくされる質問もあれば、
これまでに考えたことのない質問もあり、
夢中になって答えているうちに、
あっと言う間に1時間くらい経ってしまった。

自分がしてきた経験が物珍しい社会。

自分なりには一生懸命話をしたつもりだったけど、
子ども達がとても大人しかったのが印象的で、
「きちんと伝わってるかな?」と終始不安を感じた。
それでも、終了後にグループの女の子が
感想を発表したとき、僕の伝えたかったことを
しっかり受け取ってくれていることがわかって嬉しかった。
終了後は校長室で教育長と校長先生と雑談をして解散。
人生で校長室に入ったのがおそらく初だったので、
きょろきょろ見渡してしまった。
(悪いことで呼び出されなくてよかった)

この授業にはちょっとした後日談がある。
たまたま僕が話をしたグループの中に
妻の同級生のお子さんがいたらしく、
授業が終わって家に帰ってくると、
「矢野さんってすごい人だった!」と
興奮気味に話していたそうなのだ。

微笑ましくて本当に笑ってしまったのだけど、
よくよく考えてみたら、本を出したり、
芸能人が出演する番組や広告に携わったり、
という経験は自分にとっては当たり前のことながら
大山町の子どもにとっては相当に
珍しいことに映ったかもしれない。

これからも声を小にして伝えたい。

自分が物心ついてから大学卒業まで住んでいたのは、
東京の文京区というところで最寄り駅は後楽園だった。

プロ野球選手はその辺を歩いていたし、
近所に芸能人が生活していて、
スーパーなどで見かけることもあった。
身内にはとある民放のお偉いさんがいて、
電通や博報堂の人も見たことがあった。
自分も子どもながらにみんな「すごい人だ」
と思っていたけど、割に身近な存在だった。

一方で大山町に住んでいると、そういう少し特殊な
仕事をしている人を目にする機会が乏しい。
また会社に所属せずに自分の得意なこと、好きなことを
仕事にしている人もそんなに身近ではないに違いない。

もちろん、人生の進路を決めるのは子ども達。
でも、「この道しかない」と選ぶのと
「あの道もこの道もあるけど自分はこの道」と
たくさんある選択肢の中から選ぶのとでは
人生の捉え方が全然変わってくると思う。

自分なんかがしゃしゃり出て伝えなくても、
若い世代は時代の変化を敏感に感じ取って
より自分にふさわしい選択をするものだとは思うけど、
またもしこのような機会があったら
「こんな風に生きている人もいるよー」と
声を小にして伝えたいなと思った次第である。

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