「外出自粛」の意味が東京と鳥取で違い過ぎる*ライターの移住月記

書き手プロフィール
矢野竜広
1980年生まれ。会社員コピーライター、放送作家を経てフリーランスに。2013年、住み慣れた東京を離れて鳥取県へ。自宅にオフィスヤノを構え、WEBデザイナーの妻とともに夫婦で在宅ワークにいそしむ。無類のビール好き。 ブログはビアエッセイ・ドットコム。ツイッターのフォローはこちらから。
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stay home―

新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、
おまじないのように繰り返されるフレーズだ。
この「家に滞在すること」の意味や重みというのは、
都会と田舎で全く違うと思うのである。

家が多機能なので外出自粛にめっぽう強い。

外出自粛が叫ばれ出した頃、僕はこんなツイートをした。

世の中では「外出自粛でストレスが溜まる」「息がつまる」「しんどい」という声が日増しに強くなっていったが、大山町にいるとあまりピンとこない人が多いのではないか。

庭付きの一軒家に住んでいる人の方が割合的に多く、都会では考えられないほど多彩な機能を家が有しているからだ。

我が家の場合、そもそも夫婦揃って在宅ワークだったので仕事部屋がまずある。これが「仕事は外、プライベートは家」と分かれていた人は大変だという話を聞く。仕事場はしっかり確保したうえで以下の機能がある。

・温泉
最近は公衆浴場も次々と休業しているが、家に温泉を引いているので情緒はないが温泉に浸かることができる。

・映画館
映画館も壊滅状態だ。隣の人と近いし、密閉空間である。そんななか壁にプロジェクターを投影すれば映画館に早変わりするので、我が家では映画をそのように楽しんでいる。

・ビアバー
大山町にはビアバーがない。そんなわけで自宅にビールサーバーを設置しロフトにカウンターを設置したが、こういうときに大活躍する。ダーツもあるのでダーツバー気分も味わえる。

・キャンプ場
庭があるとタープやテントを張って家キャンすることができる。これが結構気分転換に役立つ。

・BBQ場
庭に出ずとも屋根があるテラスでBBQすることも。この前、「コロナが収束したら何をしたい?」という問いに「BBQ」と答える人を目にして、自分達は恵まれているな…と再確認した。

・砂場
結構前から庭の一角に砂場を作った。これが案外飽きることなく子ども達に使われていて、「大人しく遊んでて欲しいな…」というときに活躍してくれる。家の中に滑り台やジャングルジムもあるが、こちらは若干飽きられ気味だ…。

コロナがきっかけで地方分散化は進むのだろうか。

我が家はせいぜいこれくらいだが、カラオケボックス機能がある家は案外多いし、もんじゃ焼き屋にあるような業務用の鉄板、アスレチック、お酒を飲む小屋、露天風呂、ジムなどなどびっくりするような設備を整えている家は大山町に結構ある。

東京から鳥取に移住してきて、住宅の広さや機能の豊かさには本当に衝撃を受けた。

僕が鳥取に来る前に今の妻と住んでいた仙川のアパートは、庭はもちろんなし。仕事部屋のような部屋はあったが子どもが二人いたら…と想像するとそんな贅沢な使い方はできない。当然、自分の趣味の部屋なんて作れるわけがない。ビールサーバーをカウンターに埋め込むなんて夢のまた夢だっただろう。

ずっと鳥取に住んでいる人はうまく想像できないかもしれないが、僕は東京で外出自粛が要請されたらどんな感じか?リアルに想像できる。あの部屋で引きこもりか…と考えただけで気が滅入る。公園も閉鎖の動きがあるし、スーパーなどに買い物に出たら出たでどの店も混雑しているのが容易に想像できる。

コロナが落ち着きました、さあみんな出社しましょう!という世の中にはもはや戻らないのではないか。リモートワーク、オンラインでの対面、地方分散はもはや不可逆的な流れとして進んでいく可能性の方が高い。なんせいつまた新しい感染症が発生するのかわからないのだから。コロナの再来に備え、リスクヘッジの選択を多くの人が取ることになるだろう。

個人的な感覚として、東日本大震災でも地方移住が進んだとは全く思えなかった。巨大地震でも起きない限り東京一極集中は変わらないだろう、と思っていたけど、今回のコロナは価値観の地殻変動を起こした気がしてならない。

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鳥取県大山町にある田舎暮らしの入門道場「のまど間」からリアルな田舎暮らし情報をお届けします。

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