今まさに大忙し!町内の梨が集まる大山梨選果場を見学してきました

書き手プロフィール
矢野竜広
1980年生まれ。会社員コピーライター、放送作家を経てフリーランスに。2013年、住み慣れた東京を離れて鳥取県へ。自宅にオフィスヤノを構え、WEBデザイナーの妻とともに夫婦で在宅ワークにいそしむ。無類のビール好き。 ブログはビアエッセイ・ドットコム。ツイッターのフォローはこちらから。
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大山町の秋を彩る風物詩、梨。夏の終わりとともに、目にする機会が増えてきました。
シャキッとしたみずみずしい食感と自然な甘さ。
…夏が過ぎ去った寂しさを、梨はいつも優しく埋めてくれます。

そんな町自慢の梨の一大拠点、大山梨選果場の中に足を踏み入れたことはあるでしょうか?
今回、8月末から9月中旬という限られた期間しか稼働しない選果場の中にライターが潜入。
お話を聞いてきたので、その模様をレポートします!

それぞれのラインで生産者たちが黙々と作業。

大山梨選果場があるのは大山町の住吉。JR下市駅からすぐのところです。

訪れてみてまず驚いたのは、広大な駐車場に止められている車の数。本格稼働するこの時期以外は実にひっそりと佇んでいるのに、今は見渡す限り車。なんと約300人が中で働いているのだそうです。

お話を伺ったのは、大山果実部部長の片桐肇さん。高校生の頃からここでアルバイトをしていたそうで、全てを知り尽くす選果場の中を案内してくれました。

そもそも大山梨選果場の役割とは、大山町内で収穫した二十世紀梨や新甘泉といった梨を一度に集めて選果して、規格を統一し販売すること。一日あたり10kgケース換算で8000ケースもの量がここから出荷されます。出荷先は県内と、大阪や中四国を中心とする県外がほぼ半々。品種によってはこの選果場が日本一の出荷量を誇るものもあるそうです。

中に入ってみると、たくさんの人たちが黙々と自分の仕事に従事していました。ちなみに、中は2階建ての構造になっており、1階は選果台が並び、2階は主に箱などの資材置き場として使用されています。


働いているのは生産者やパートの方々。この時期、選果場での働き手が割り振られるため、生産者が作業をしに来ることが多いのですが、農作業などで出席できない場合はパートの方をそれぞれ生産者側で雇うのだそう。

大まかに「人による目視チェック」「機械による中身チェック」「選別」「箱詰め」「出荷」と進み、まずは人の目で形や状態をチェックし、そのうえで機械が糖度などを測って選果するという流れになっています。

選果場で働く生産者の方にもインタビュー。

形の美しさや腐敗していないか?といった外側は人間でも判断できますが、糖度や重さ、中の状態は光センサーによって機械が検査してくれます。


計測された数値はすぐに横のコンピューター画面に。糖度基準は二十世紀が10.5度、なつひめは11.5度、新甘泉や秋甘泉に至ってはメロンにも匹敵する13.0度とそれぞれのブランドごとに決まっています。

生産者の方にもお話を聞いてみました。お話を伺ったのは野川豪さん。元々家が梨農家だったものの長らく会社勤めをしていた野川さん、3年前に一念発起して新規就農したそうです。現在は選果場の運営委員も務めています。

―選果場での一日の過ごし方を教えてください。

朝7時半にこちらに来て、8時から朝のミーティングが始まります。始業は8時半。それから休憩を入れながらもずっと作業をして、終わるのは定時が18時です。けど、その日に分ける梨がなくなったらおしまいなので、17時頃に終わることも多いですね。この時期は忙しいので、朝5時に収穫してからここに来たり、選果場の仕事の後に自分の梨を搬入したりもしますよ。

―仕事の中で大変なのはどんなところですか?

全てかな(笑)。去年はいてくれたベテランの方が80歳の定年でいなくなったりして、勝手がわかる人がいなくててんやわんやです。はた目にはそう見えないかもしれませんけどね。梨を見分けるのもまだまだ大変です。ひとつかみで梨の状態が瞬時にわかる“神の手を持つ人”もいますからね。自分もそうなりたいと思ってます。

―どんなことを心がけて仕事をしていますか?

とにかく安全第一ですね。以前、工場勤務をしていたこともあるので安全への意識は強いと思います。と言いながら、この前支柱に足を強打してしまいました(笑)。それでも、収穫のときに「いいものができたなあ!」と思えたものをここに運んでみんなに味わってもらえるので、選果場の時期は忙しいながらも充実しています。

―ありがとうございました!

初めて選果場の中に入ってみて…

近くに住んでいながら、ここまで巨大な施設があって、こんなにもたくさんの人達が真剣に働いているなんてことを全然知りませんでした。もしかしたら町内の多くの人も選果場があることは知っていても、中がどうなっているのかはよくわかっていないかもしれません。
片桐部長に聞いたところ、もし見学を希望する場合は選果場に連絡をいただければ対応するとのことでした。実際、近くの中山小学校ではこの選果場を社会科見学で訪問するそうです。

梨って鳥取の人には小さな頃から当たり前にある果物なので、他の果物と比べると有難みが小さいのではないかと感じることがあります。でも一度、この選果場に足を運ぶと、「この果物にはこんなにもたくさんの人が関わっているんだ」と誰もが圧倒されるはず。

そして、梨を食べるたびに美味しさとともに有難みを感じるのではないかと僕は思います。

9月中旬までは選果場前で梨をお安く販売しているので、ぜひ町自慢の梨をご賞味ください!

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