今はなくなってしまったが僕が東京にいた頃、
鳥取のアンテナショップは「食のみやこ鳥取プラザ」という名だった。
当時、「うわっ…私の彼女の故郷、言いすぎ…?」
と口を押えていた自分をニンジンのようにしりしりしたい。
鳥取は正真正銘、食のみやこ、だったのである。
鳥取の美食を集めた究極の集いへ。
去る7月某日、大山町の友好館にてほんのりクローズドなとある一族のパーティが催された。まさに食のみやこが大山町に遷都されたかのような模様を紹介したい。
鳥取の食と言えば?
日本海に面していることから魚介類のイメージを持つ人も多いかもしれないが、実はかつて「和牛王国」と言われた古豪の和牛県。サッカーで言うと、ウルグアイ的ポジションに近いのである。
このとびきり上質な肉を塊で3kg購入。旨味成分であるアミノ酸を壊さぬよう、低温で3時間じっくり湯煎調理。
最後に香ばしさをプラスするため、フライパンで焼き上げ、
完成したローストビーフがこちら。目にも美味しい一皿である。これだけで一晩楽しめそうなものだが、これは序章に過ぎない…。
なお、飲み物もオール鳥取産。メニューがこちら。
あまり知られていないが、ビールや日本酒はもちろん、ワイン、ウイスキー、チューハイ、焼酎、梅酒に至るまで全部鳥取産のアイテムがある。
ソフトドリンクは鳥取が誇る白バラ牛乳中心のラインナップ。ビールは当然!大山Gビール。今回は世界一に輝いたヴァイツェンとホップの苦みが心地よいペールエールの2種を用意。オリジナルプラカップもポイントだ。
外国の方がサービングすると非常に絵になるのはなぜだろう。
日本酒は鳥取の中でも地元中山のお酒、夢語(ゆめかたらい)を用意。ワインは赤白ともに北条ワイン。差し入れもあり、ちょいちょい県外のも混ざっていることはスルーしたい。
寿司と岩牡蠣で高まる会場のボルテージ。
ウェルカムドリンクを嗜んでいると一人の男が颯爽と現れた。
ご存知の方はご存じだろう。伯耆町で「え?本当にここが入口?」という扉キタナシュランな店を営むも質の高さとコスパの良さであっと言う間に人気店となり、今ではガーデンプレイスで営業している「郷の鮨たむら」の大将だ。
本来、出張はやっていないが会主催者との関係で特別にやって来てくれた。よりグルメ的遷都感が増した友好館がヒートアップ。
このまさに取って付けた暖簾がごっこ遊び好きの子ども達にも火を付けたのか、なぜかカウンターに陣取る子ども達。偉そうな顔で寿司を見る青いシャツを着た子は誰だ。まったく親の顔が見てみたい(俺)。
準備が整い大将が握り始めるもあまりの美味のためすぐに消えてしまう。が、柔和な大将が心の中のリトル大将に聞いて、「寿司をズラッと並べたい」という回答を得たのだろう。
ケチャップドバドバ的にあっと言う間に寿司が並ぶことになった。
肉と寿司と酒が揃えばもう本来はOKなはずだが、そこに異を唱える男も派手なオブジェとともに颯爽と登場。
そう、この御方…
たいていの時間を東京の何かしらの番組に密着されている人気者、素潜り漁師中村さんによる岩牡蠣!
中村さんは岩牡蠣について、「7月の中下旬から8月の11、12日辺りまでが最高」と語っているが今回はまさにその旬の期間内!
そんな価値ある牡蠣をこんなにズラッと並べてくれるところがありがたい。この漁師中村の岩牡蠣ショーにさらにグルメ的遷都感が増した友好館。しかし、この貴重かつ贅沢な牡蠣をなんと…
地球最後の日…ではなかろうか。
奥様の加奈子さんがカラッとフライに!
この牡蠣フライ………美味かった!!空気を読んで4個くらいにとどめたけど、「18個くらいは余裕で行ける」と心の中のリトル矢野は呟いていた。
時期は夏、ということでもちろん夏野菜も盛りだくさん。
まるで鶏肉のごとくワイルドなトウモロコシも甘くて最高だった。
たくさん飲み、
花火で遊んだら…
デザートの時間。スイカはもちろん、日本を代表する大栄スイカ。
これまたみずみずしくて美味しい!さらに!
地元採れのメロンも…。いいのか最後までこんなに贅沢で。まるで地球最後の日のごとく豪華なオール鳥取産ディナーはこうして幕を閉じたのだった。
全国的に有名であろうカニや梨、大山地鶏を除いてもこのクオリティー。もうこの国の食の都は鳥取で決定。異論を言う人は砂丘で砂まみれになった後に妖怪に憑りつかれる事件が発生してコナンに解決されてしまえばいいと思う。