井上青輝園の明美さんを招いての素敵ランチ会@はた酒店 に行ってきました

書き手プロフィール
矢野竜広
1980年生まれ。会社員コピーライター、放送作家を経てフリーランスに。2013年、住み慣れた東京を離れて鳥取県へ。自宅にオフィスヤノを構え、WEBデザイナーの妻とともに夫婦で在宅ワークにいそしむ。無類のビール好き。 ブログはビアエッセイ・ドットコム。ツイッターのフォローはこちらから。
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井上さんの話を聞いて欲しい!という熱い思い。

先日、「ちょっとステキなランチ会」と銘打たれたランチ会に行ってきました。
なんでも町内のお茶屋さん、井上青輝園の井上明美さんを招いて、お話を伺いながらランチを楽しむ会なのだとか。

場所は下市駅にほど近い9号線沿いのはた酒店さんの2階。
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会は企画者の藤原さんの話から始まりました。以前、お茶の加工場をお邪魔した際、機械は使いながらも手作業で多くのことが行われていることに驚いたそうです。さらにそのとき、井上さんのお話を伺って感動でうるうる…ぜひ、自分だけではなく身近な方たちにも井上さんの話を聞いて欲しい!ということでこのランチ会は実現しました。

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旧中山町の潮音寺にある井上青輝園は、鳥取では珍しい自園・自製・自販のお茶屋さんで、今回招かれた明美さんの旦那様の隆治さんが3代目の会社です。手間ひまかけてこだわりのお茶を作るルーツになるエピソードが明美さんの口から語られます。

「主人が若い頃、お茶の本場の静岡に行ったとき、お茶が家業の者同士でお茶を飲み合うことになったそうです。主人は家のお茶を持参していましたが、周りのレベルのあまりの高さに“忘れた”と言って出せなかったそうです」。

「うちのお茶はこれだ!」と自信を持って出せなかった悔しさがバネになったのは想像に難くありません。以来、自分なりの深蒸しを追い求めて、静岡の蒸し機の社長さんのもとで壮絶な修行を積んだ隆治さん。工場にて24時間体制で学んでいたため、自宅に帰って来たときは極度の疲労と栄養不足でげっそりし、「誰かわかりませんでした。どこかの浮浪者かと思ったくらいでした」と明美さんは明かしていました。

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鳥取に戻ってきてからは理想とする道を邁進。

その後、一家で滋賀に居を移し、畑づくりや土づくりのことを一から学びます。当時は茶畑に子どもを連れていき、袋の上で昼寝をさせていたそうです。小学校入学後も満足に子育てに時間がかけられず、「この頃、子ども達とした会話で覚えているのは“宿題した?”“したよ!”くらいなんです」と淡い後悔を滲ませながら明美さんは話していました。それほど夫婦で畑づくりに没頭していたということなのでしょう。

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鳥取に帰って来てからは「滋賀の時代にできなかったことを全てやる!」と土の改良(黒ぼくは野菜には向いているけどお茶には向いていないそう)、天地返し、独自の有機肥料、排水に至るまで徹底的にこだわり、理想とする茶畑を作り上げたそうです(その姿は美しく、はた酒店には写真が飾られているほど)。

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これまでを振り返って、

「いいことも悪いことも全部私たちに必要だったと思います。不思議と今では悪いことが落ちていって、いいことしか残っていません。時が解決してくれるってこういうことなんだ~と実感しています」と穏やかに語る明美さん。苦労の連続だったはずなのに、エピソードを交えて楽しそうに話す姿が印象的でした。

それと、旦那様の隆治さんに対する深い尊敬の念が随所に感じられたのがとても印象的でした。

悪いことをしたら他所の子までげんこつしてしまう正義感、若手に誘われたらどこにでも出かけてしまう人の良さ、何度も試飲を繰り返してテスト商品を作って郵送の段取りまでしたのに“やっぱり納得いかない”と0からやり直す妥協を一切許さない姿勢。エピソードを披露するときの“本当に困った人なんです”といった口調とは裏腹に、困難を共に乗り越えてきた夫婦ならではの深い信頼感が垣間見えました。

ほっこりと美味しい素朴な料理で感動。

1時間くらいお話しを聞いていましたが、エピソードも豊富で本当にあっという間でした。お次はランチの時間。はた酒店オリジナルの優しさと栄養に満ちた絶品ランチを味わいながら、また会話に花が咲きました。
それにしても、目にも舌にも美味しいのに一口一口元気になっていくような、素材本来の味を活かした料理はまさに感動ものです。

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ちなみに、今回の参加者は10人。男性は2人だけでしたが世代や職業・立場の幅も広く、様々な価値観に触れられました。平日のお昼にこんな豊かな時間を過ごせるなんて、やっぱり大山町はすごい!と思った次第。

日本茶アドバイザーから学ぶ美味しいお茶の淹れ方。

食後は「日本茶アドバイザー」でもある明美さんによるお茶の淹れ方講座とお茶タイム。
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ポイントは事前に急須を温め、湯量を測る意味も兼ねて湯呑にお湯を入れること。お茶は一人4~5グラムで抽出時間は1分から1分半。抽出中も軽くゆすると良いのだとか。入れ物を変えると都度10℃下がるので好みの温度にする参考に。注ぐ際は味の濃さを均一にするため、量を見ながら注いでいって折り返す「回し注ぎ」をするのがおすすめ。注ぎ終わりは最後の一滴まで出し切るのがポイント。こうすると中の葉っぱが蒸れず、2煎目以降も美味しくなるそうです。急須の葉っぱも一方に偏ったままにせず、トンと叩いて均一にするとなお良いそうですよ。

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お話を聞いたうえに「日本茶アドバイザー」でもある作り手直々に淹れてもらったお茶、美味しくないわけがありません。デザートとともにいただく一杯は最高で、何杯もいただいてしまいました。

会に参加してみて…

今回、参加者の方からは、

・感無量!一つのことを極めるのは至難の業であると思い知りました。
・背筋がしゃんと伸びるような気持ちになりました。
・大山町内でこんな素敵な人がお茶を作ってくれていて嬉しい。
・今後、飲むたびに今日聞いた話を思い出しそう。
・お茶には詳しくなかったけど、今日から飲んでいこうと思う。

といった感想が聞かれました。

井上さんからは、「1週間に1回でもいいので、“今日はお茶を飲もうか”という日を作ってもらえたら嬉しい」「これからも飲みやすくて記憶に残るお茶を作りたい」といった言葉を聞くことができました。

僕も早速、下の販売コーナーで井上青輝園さんのお茶を買ったので、「今日はお茶を飲もうか」という日を家でも作っていきたいと思いました。

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